最早欲しいものは和物しかない〜和の雑貨
さんざん最早買えるものがないとか言いつつ、置き場があるのであれば、あれも欲しいこれもほしいと書き散らしては来たのですが。
じゃあ一体何がほしいのか、というと、勿論新しく出来た店などで、可愛らしい雑貨のたぐいを眺めればそれなりにほしいとは思うのですが、この手の物に関してはもう「かわいい」「すてき」と思っても、「買いたい」とは思わなくなっています。
飽きたからといって、ぽいぽいものを捨てられる性格であれば「捨てて、新しいものを買う」こともできようが、子供の頃からものにしつこく、何がしか購入するときは、「これと一生暮らせるか、仮に大金持ちになってもっと高価な物を購入することができるとしても捨てないでこれが良いと言えるか」を購入基準としてきた私にとって(全ての物ではないが・・)家の中を見渡しても「気に入らなくなった」物など全くと言っていいほどない。
そして、「使っていないもの」もまた、殆ど無い。
さらには、私は物の扱いが丁寧でとにかく物持ちが良い。
家電製品は基本20年はデフォルトで使用。
食器なんて、わらない限りは絶対減らない。
家具。生憎とDVで家具を破壊するような夫もいないことでもあるし、先般の地震でも壊れたのは固定していなかった皿時計一つという有り様。
着る物に至っては、500円で購入したTシャツですらうっかりすると10年も保ってしまうという、物を見る目と手入れの良さだ!!!
(さすがにここ10年位はTシャツは1年に購入していいのは1枚までという掟を設けた。枚数があるとどうやっても数年ではおしゃかに出来ないので)
アクセサリー、宝石の類もほとんど無くすことも壊すこともないので増える一方。
西洋のブランド物に対する興味は全くないのでアレラに対して物欲は持ちようがない。
こうなると、「素敵」と思う気持ちと「自分のものにしたい」と言う気持ちが一緒になって「購入」へと踏み切る機会が殆どなくなって、お買い物の楽しみというものがまるで無くなってしまった・・。
と、つまらなく思って最早10年以上。しかし。例外があるのであります。
それが「和物」
「素敵」と言う気持ちと「購入したい」という思いが一緒になった突き上げるような物欲が起きる、唯一のものが「和物」!!!
まあ、これは昔からそうだったんだが、何しろ和物雑貨というのは職人技なものが殆どで、値段が張るので学生時代にはなかなか手が届かなかったのです。
例によって古い本の紹介になるのですが。
- 作者: 小山織
- 出版社/メーカー: マガジンハウス
- 発売日: 1992/04/01
- メディア: 単行本
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アマゾンで本の表紙がなかったので、自宅の本の写真を。
こんな古い本なのに、全く古臭く感じない。
表紙のハケは、牡丹刷毛と言って、歌舞伎の役者さんなどが使うものだそうな。
とはいえ別に役者にしか売らないなどというものでは勿論無いのですが。
ちなみに、この本に載っている時の(1992年)お値段にして、2万円。
山羊の毛でできた、いかにも柔らかそうな・・金色の部分は蒔絵(漆に金箔で柄をつけたもの。しかしこれは金箔を柄ではなく、柄全体に貼っている。美しい)
日本の化粧ブラシの品質はとにかく他を突き放してぶっっちぎりで世界一で、世界の一流メイクアップアーティストは軒並み日本のブラシを使用しています。
一流化粧品メーカーが自社ブランドとして売り出す化粧ブラシは大抵日本産。
その手のブラシも結構なお値段がするが、このブラシのような古風な刷毛は、そのへんの店では置いていないのですよ!
多少高価でも、近くの百貨店あたりで常に置いておいてくれれば、何かのついでに購入する事もあろうに。
未だに私はこの刷毛の現物を見たことがありません。
この本に載っている、他に焼き付くほど欲しいもの、それは応量器。
応量器にもいろいろあって、お寺で使用する昔ながらのものは私はゴツくてあまり食指が動かない。
この本で紹介されているのは加賀で作成された、禅寺に納めるために古い応量器を元に復元されたものだそうで、現在の一般的な応量器よりはるかに小さく、そして全体にコロンとまるい。
私がほしいタイプは形はこれ。
越前漆器 漆遊館 歳時記 【G4107-04】 茜朱 ほてい応量器 化粧箱 φ15×7.7cm
- 出版社/メーカー: 澤田与三八堂
- メディア: ホーム&キッチン
- この商品を含むブログを見る
なんとも、なんともあいらしく、もううん十年、ほしい====!!!!と思い続けてきました。
こちらは学生時代に現物を見たことがあって、池袋の、日本工芸館?だったか、全国の物産を紹介販売する店があって、ここではじめて見ましたね。
その後も、何かの催しで一度見たことがあります。
しかし、この本には30000円となっているが、私が一番最近見た時は6万くらいはしたような気がする。。
と思って、検索してみたら一発ヒット。
うるわしのうつわ 泡沫の日々の泡 応量器 価格改定のお知らせ
http://shikki.blog.fc2.com/blog-entry-553.html
応量器と、禅僧三点揃合わせて6万弱、ってとこみたいですね。
麗しい上にも麗しい、応量器の写真が載っているのは同じサイトのこちらです
応量器 Ouryou-ki Buddha bowl
http://shikki.blog.fc2.com/?no=276
う、うつくしい〜!!!
やっぱり、やっぱりほしいなあ・・しかし、どうやら生産が追いついてなくて予約待ちみたいですね・・。
この美しさを認め、ほしいと思う人が多いというのは素晴らしいことです。
この本に紹介されているものの中で、本気でほしいもののもう一つが、月の字の引き手。
襖の引手です。
これは割とネットで普通に売ってるのですが・・・。高い。
室金物オンラインショップ
高級襖引手 赤銅月文字
https://www.murokanamono.co.jp/webshop-wafu-husumahikite-tukinoji.htm
「大」でなんと、一つ、50000えんです・・。
材質なんだよ!と確認すると、真鍮製ですって・・・。
いくらなんでもぼり過ぎじゃないか?!
ということで、頓挫してしまってるんですよね。
だって、寝室のふすま四枚にこれ使ったら、襖の引手だけで20万ですよ・・。
応量器の場合、そりゃあ手間暇と材質を考えればそれくらい!という気がしますが、正直この引き手、まさか一個一個刀の鍔よろしく職人仕事で作ってるんかい、
と言いたい値段ですよね。
(それなら納得だが・・というか、そレダと逆に安すぎる)
型で作った真鍮に漆焼付けとかかな?その辺が妥当な値段のような・・。
で、たかが真鍮製のこの程度の引き手に5万も出すくらいなら自分で作ったるわ!
銀粘土で!!!
ということで、こちらは完全に購入対象から外れましたw
もとよりこの手のコリ倒す作業は大好きさ!
で、あれこれコリ倒したデザインを書いてはニラニラしております。
まあ、銀粘土も、引き手を作るほどの量使うとなると一つ3万くらいはかかるんですけどね。
でもほら、なんてったって銀だし、買ったらいくらするかわからないような凝り倒した物を作れますから。3万で。
襖の引手で、銀製のものって結構あるんですよね。とは言え、銀製品は酸化がな〜。コーティングしてピカピカすぎるのも嫌だけど・・。
ということで、ある程度参加させた上でコーティングするのがいいか、そのままにして磨いて手入れするほうがいいか考え中。