美しい絵本は心の栄養 〜みにくいおひめさま

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みにくいおひめさま

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今回、この絵本を紹介するにあたってアマゾン検索したら、私の手持ちの本と全く同じ本がまだ販売されていて驚きました。

とっくに絶版に成ってると思ってた。

本好きの例に漏れず、私は大人に成っても絵本好きですが、子供の頃はもちろんもっと大好きだったのであります。
子供が本を読まなくて、と嘆く人がおりますが、幼少期に子供に面白い絵本を読んであげて、「本は面白いもの」との刷り込みがまずできていないんじゃないですかね。
読み聞かせ、本を読んでくれ、読んでくれとうるさく言ってくるまでは、ゲームの類いや、アニメのDVDの類いは遠ざけとく事です。
少なくとも、いつでもできる状態にしては絶対ダメ。
泣こうが喚こうが、決まった時間以外はダメと、親の権限で押さえつける事。これができない馬鹿親が多すぎる。

子供ってのは動物と同じですから、最初のしつけが肝心で、しつけが入るまでは多少の面倒はかぶる覚悟をしなきゃダメなんですよ。
泣きわめいて、自分が疲れるからと、なし崩しに子供の要求をだらだら聞いてしまって喚けば要求が通ると学習してしまった子供が、ある日聞き分けが良くなるわきゃないだろう。

・・・と例によって話が脱線を・・。
でも、話を切りのいいとこまで進めると、とにかく「本が面白いもの」「読んで欲しい、読みたい」と言うところまで持って行ったら、後は徐々に
「おかあさんもお父さんも忙しいんだから自分で読みなさい」
と、突き放す事です。

いきなり、じゃだめ。徐々に。
5回に1回断る、4回に1回、3回に1回、なんか読まなくなって来たなと思ったら、新しい面白い絵本購入読み聞かせ祭り。
8回に1回断る、7回に1回、6回に一回・・と、子供の様子を見てやる事です。
親の頭にウジでも湧いてんじゃないのかと思わずにいられない、「私は馬鹿です」と拡声器で触れ回るような行為としか思えない、幼稚園お受験なんぞに労力使うよりよほど子供の為になりますわ。

あたらしい、絵柄のきれいな面白い本も買い与えて、「読みたい」欲求もあわせて盛り上げる、ひらがなかたかな学習用のかわいい積み木やおもちゃもあわせて買ってあげる事です。
そうすりゃ、勝手に本なんて読むようになるし、ひらがな、カタカナ、数字くらいは幼稚園に上がる頃までには覚えますよ。

さて、紹介する絵本に話を戻して。

この本は、私が幼稚園の頃に入手した本です。
大変面白い経緯で私の手元に来た本でねえ・・。昔話をいたしましょう、と言うところでございます。

当時、私も妹も、自動車に乗ると車酔いでえらい事に成るので、どうしても車でないと困る、大荷物での移動以外は電車での移動でした。
東京近郊の住宅街に住んでいたのですが、その日は土曜だか日曜だか、家族で東京まで出かけ、満員列車で夜、帰って来たのですね。
満員ぎゅうぎゅうで家族とは離ればなれ。
でも、自宅のある、勝手知ったる駅なのでバラバラになっても、親も慌てない。
改札のところで待ってなさい、ってかんじ。
それで、大勢の人波の中、幼稚園児が一人ふらふらプラットフォームで家族が追いつくのを待ちつつとろとろ歩いていたら、その人ごみから、大学生くらいかなあ?
スーツではなく、ジーンズになにかラフな上着だったと思いますが(季節は春か秋。コート無しの季節)、そんな男の人が、いきなり、本屋の袋に入った本を私に渡して、「おじょうちゃん、この本あげます」と。
当たり前ですが「はあ?」とパニックな私。

良い子は知らない大人から物をもらってはいけませんと教わってますからね。

「両親から知らない人から物をもらってはいけませんと言われてますから、いただけません」
男の人
「そうでしょうね。でも、あなたのような女の子にこの本はぜひ読んでもらいたいのです。本好きでしょう」
私「本は好きですけど(本心ではもちろん欲しいが、両親に怒られる事確実なので必死に断る)いただけません。おかあさんに怒られます」
男「とてもいい本なので、ぜひ読んでくださいね。じゃ」
本押し付けて行ってしまった!!!!
「(半べそ)すいませんいただけません、待ってください!!」
人ごみの中で見失う。半べそ。本は嬉しいけど、鬼のように母親が怒るだろう。どうしよう。。

で、プラットフォームから両親と妹が「どうしたの」と追いついた。
半べそかきながら状況を説明。

なんと、おこられなかったよ!!!

ほん、もらっておきなさい、よかったねっていってくれたよ!!!!!


いやーあのときのほっとした気持ちは今でもありありと覚えています。

その後、本を袋からやっと取り出したのですが、これが絵本と言うよりは、もう一段上のお話で。
その当時確実に幼稚園児だったのですが、私は子供の頃から背が高く、バスだの、電車だのに載るたびに「幼稚園です」と言わないといけないくらいで、かならず、
運転手さんに「おおきいですね〜」と言われる子供だったから、あのお兄さんも多分小学生だと思ったんじゃないかなあ。

袋から取り出した絵本は、本当に美しい絵本だった。


あの当時は、やはりマンガチックな絵柄とか、大和絵のようなものとか、西洋画の版画のようなものとか、エッチングとか、水彩画でももっと色彩豊かなフルカラーのものが好きだったので、3色構成の、一筆書きのようなあの絵柄は正直たいして好きではなかったのだが、やはり本として美しいと思い、なにより、絵の書いてあるところに、紺色の楕円の枠が有るところが大人っぽくて大好きだった。

見返しのパターンも、ホントに美しい。

お話もすてきだった。
説教臭い内容では有るのだが、例によって私は家がらみ、食べ物がらみ、物づくり系の話が大好きで、この話は私の好みにどんぴしゃりだったのだ。
王様の一人娘で、親族中みんな美形なのに一人王女だけ不細工で、すごいわがまま。
王様が、王女を美人にできた者に褒美を出す、とおふれを出して、それを引き受けた未亡人とその娘達との共同生活を描く、というお話。
貧しい家で、いきなり自分の事は自分でやる生活の中、王女は性格が良くなるにつれて顔の部品がひとつづつ美しくなっていき、最後は美人になりました、というお話。

いまでも、時々取り出しては眺めて幸せな気分に成る。

もしも、この記事を読んでいるあなたに女の子がいるなら、自分の子供でなくとも、だれか女の子の知り合いがいるなら、ぜひとも贈り物としてあげて欲しいと思う、一番の本です。

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