辺境警備


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これも古い漫画なのではあるのですが。
紫堂恭子さんのデビュー作?かな?

最初の連載でいきなり長編となり、しかも最初から絵のレベルが高い高い。

男性が読むには、あまりにも少女マンガチックな絵柄なので抵抗はあるかもしれないが、話の内容はヘビーな物がほとんどの作家です。

しかるに、そのヘビーな内容を一般人が敬遠しないような、美しい絵柄と、随所にちりばめられたコメディーなお笑いでくるんで、読み手見全く負担を与えない。

この作品も、最初の数話くらいこそ一応ファンタジーオンリーでヘビーな内容は出てこないけれど、回を追うに従って、どんどん話が暗い方向に進んで行きます。

それなのに、どまっくら真っ最中の話の回でも救いの無くてイヤにならないのは、やはり、絶妙な登場人物の持ち味によるところが大です。

サウル・カダフさんにはあこがれるなあ。
すてきな大人だ。

今の日本に少なくなった、「本当の大人」ですねえ。
酸いも甘いも嚼み分けで、ちょっと鬱屈してしまった、めんどくさい性格の人間にも、「自分はいい人」ぶりっ子せずにちゃっかりくっついて、説教臭い事なんか言わずに、いつの間にか輪の中に取り込んで、殻をはがしてしまう。

都での女遊びをすっぱ抜かれてど田舎に飛ばされた軍人のサウル・カダフ氏、飛ばされた先にいた、ひなびた田舎ににあわぬ美しい、ややこしい性格と背景を持った神官さん。
サウル氏と違って純朴そのものの、田舎の砦を農作業の傍ら守る兵隊さんたち。

この人の作品には随所においしそうなご飯を作る場面が出てくるのですが、この漫画にもちらほらそういう場面が出てきます。
作品の最後にエッセイで作者のお気に入りスウィーツ暮らしが出てくる事も多くて、読むのが楽しみ。

ヘビーな内容の回は落ち込んでるときには読みたくないけど、ころころ兵隊さんとサウル隊長との楽しい日常の掛け合いの回などは、読むと元気が出ます。

現在も、知っているだけで2本の連載を同時進行させているけれど、結構作品生産体制きついだろうに。
駄作と言う物がいっさい無いところがすごい。
読んで損したと言う作品が一個も無いからなあ。

例によってこれも現在スキャン中。



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