カルバニア物語13

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カルバニア物語15 (Charaコミックス)

カルバニア物語15 (Charaコミックス)

本日最新刊発売。
TONO氏の物語漫画です。
ファンタジー・・というか、架空の世界での現実ものというのでしょうか。
魔法使いが出てくるとかそういうSFチックな話ではなく、架空のカルバニアという王国の、王国史はじめての女王となったタニアという女の子と、その幼なじみの親友、エキュー、これまた王国史上はじめて女性の公爵となる女の子のお話。

TONO氏のエッセイコミックはおそらく全部所有しているのですが、広島出身のこの方は、3人兄弟(妹一人、弟一人)の長女とのこと。
で、それらのエッセイに、広島の男至上主義のうっとおしい風習をくさす場面がこれでもか、と登場するのですが(とはいえ、彼女の家庭では男女差別などはなかったので余計親戚やらの女性蔑視がむかつく、というw)
そこで語られていた内容が、この物語には遺憾なく発揮されているなあ、というのが読み取れて面白い♪

この物語で特に素晴らしいエピソード。
女に侯爵家を継がせるなんてとんでもない、と、遠縁のくせに図々しく口出ししてくる親類縁者とガチンコで対決していたエキュー。
仕事がデキる男として名高いパパ公爵が、再婚とできちゃった婚の妻との生活を優先させ、公爵業を引退する、爵位は女王陛下に返還する、と言い出した。
それまで自分が当然公爵を次ぐと思っていたエキューは大ショック。新公爵は王国内の貴族による投票で決まると。
パパ公爵の深慮遠謀による雲隠れにより、女なんぞ認めないという連中と、嫌でも対応せざるを得なくなったエキュー。
ただお前らは間違ってる、お前らなんかとは付き合わんと、喧嘩別れするのではなく、言いたい放題言いつつ、実力を証明し、かつ、お互いの立場や言い分を怒鳴り散らすだけではなく歩み寄って協力体制を作り上げていく過程。

自分を認めないと言っていた親戚オヤジ連中の支持で結局公爵位はエキューが継ぐことになりますが、この過程は、この先社会人になろうという人はぜひとも読んで勉強してほしい内容です。

今回の新刊の内容ではないんですがw

物語全編を通して、人とどのように付き合っていくのか、意見や正確、価値観の違う、嫌なやつだと思った人間と、どのように付き合っていくのか。
人を傷つけてしまった、実力が足りない、失敗してしまった、そんな時にどうやって切り抜けるのか、謝るのか、挽回するのか。

今回改めて全巻読み直してみたら、そういう主題で話が作られているなあ、それなのにこのふざけたキャラ設定のせいで説教臭くないんだろ−か、と思ったのでした。

今回の新刊にはタニアの母親、プラティナ元王妃が国外追放されてからどのようにして再婚まで至ったのか、プラティな王妃のことを知った後のタニアや、エキューの子供時代のお話が出てきます。

盛りだくさんで読後の満足感たっぷりです。

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