週末の庭の手作りノート

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この本もかなり昔に出版された本なのですが、堀井和子さんの関わった本というのはバブルの時代に出版されたものでもまるで古臭さを感じないところがすごい。
まあ、あの当時から流行り廃りとは全く無縁の、自分の美意識をきっちり守った暮らしをしている方でありました。

堀井さんの暮らしの流儀は、嫌悪感を抱く人はまずいないにしても、好みはわかれるかな、というところは有ると思います。
特に主張の強いしつらえや、器や、家具などを使っているわけではないのに、この方の暮らしのしつらえには、説明書きなど無くとも、堀井さんの手だとわかる個性がみなぎっているのです。

私がこの方の存在を知ったのは多分中学生くらいの時で、今はもう無いと思うのですが、Leeという婦人雑誌に載っていた、お料理ページがきっかけだったと思います。
そのページは大事に切り取ってスクラップにしてあるのですが、10年以上たってからそのページを含めて1冊の本にまとまっているのを見つけたときは驚きました。

今回紹介する本はその本ではないんですが、長いことほしいなあ、と思いつつ、買わないできたものをブックオフで手に入れました。
堀井さんの本の中でもかなり地味で、内容的には、料理と、食べられる野菜やハーブのこと、それらを使った手作り(料理)というものなので、本来かなり私の好みのはずだったんですが。
共著者の横山美恵子氏も、はでにスタイリストやフローリスト(こういう横文字な言い方好きじゃないんだが)として活躍している方ではないんですが堀井さんと友人でバブルの時代の、私好みの記事によく出ておられて、名前を覚えました。
本当に自然体というか、そのへんの空き瓶やコップなどに、道端に咲いていた花をポソッと活けただけ、という感じなのですが、それでやはり、「横山さんの活けた花」とひと目で分かる個性があります。決して派手ではなく、というか地味の上にも地味なのにね。

この本を久方ぶりにゆっくり読んでみて、ああ、なんでこの本が苦手だったのかちょっとわかるなあ、と思いました。

自分の暮らしがささくれだっていたからです。
週末に(週末だけでも)ゆっくり、自宅の庭で(ベランダで)作っている、ちょっとした野菜や、お花を摘んで、保存食を作ったり、それを使った高価ではないけど美味しいご飯を食べたり。

そういう暮らしから随分とかけ離れた生活をしているせいで、この本を見るのが辛かったんですね、
もっとキラキラしい生活系の本とか、だらしない生活を改善するサプリになるような啓蒙本とかは読んでて辛くないどころか、喜んで読んでたんですが。

ああ、やっぱり広い庭付きの、田舎の家に住みたいなあ。
それで、堆肥を作って、畑作って、バラも草花も欲しいものは全部植えて、野菜なんて全部自家製で、果樹も食べたいものは全部植えて・・。
子供の頃から自給自足の生活に憧れてきた身としては当たり前の事ではあったんですが、ふっと我に返りました。

今現在の環境でできることだって、あんた全てやりきっていないじゃないの。
枯れたまんま放置して空いてる鉢はたくさんあるし、あれに100円ショップで買ったサラダの葉物を蒔けばいいじゃない。
暑さで花が咲かないって、面倒臭がって朝一でしか水やらず、追肥もやってないじゃない。
ベランダの物置、片付けようと思って何ヶ月経ってる?などなどなど・・・

そうだ、同じ堀井さんの本でも、他の本は全然痛くなかったのに、なんでこの本を見るのがこんなに辛かったのか。
対して、この方たちの置かれた環境と、自分の環境は違わないのにはるかにだらしのない生活をしている自分を見るのが辛かったからだ。
やれば出来るとわかっていたからだ。

・・・それなのにこの本をとうとう手に入れたのは、ベランダの惨状が心にずーと引っかかっていて、同じく酷い有様だった食生活を個々のところ頑張ってだいぶ改善してきたので、心に余裕ができたからかもしれません。

本の中身も少々ご紹介します。
全体の半分くらいが写真、残りはエッセイと、掲載されている料理の作り方になっています。
お花ではなく野菜が主役の本なので、写真もそれなりに地味なのですが、この方たちの活けるお花の写真はもとより野草の花などが主なので、この本に掲載されているハーブの花束の写真などでも、あまり他のほんとの差分がわかりません(笑)
ほとんどのお料理は、ほんとうに簡単なものばかりで、それが余計に荒んだ生活を責められているかのように感じられるのですよ・・。

凝っているものとしては、ベーコン、ピーナツバター、ピクルス、・・・絶対やりたくないのは栗の渋皮煮、でしょうか。
クリの皮むき器は、毎年やすいクリが袋に入って売っているのを見るたび、買おうかどうか悩むものの一つですが。

さて、私もこれから毎日、一鉢づつでいいから、手入れをして、種まきしようかな・・。

諏訪田製作所 栗の皮むき鋏 栗くり坊主II 11172

諏訪田製作所 栗の皮むき鋏 栗くり坊主II 11172



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