玄奘西域記 5 一人びとりが考える事を怠った時、人は時代にのみこまれる

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4回目の記事に含めようかと思ったのですが、少し趣旨が変わるエピソードなので独立させる事に。
記事を短く書く事を心がけて行きたいと思う今日この頃。

しかし、何度読んでも含蓄のある物語です。
この話は連載中ずっと追って読んでいたのですが、これはそのまま日本の現状に当てはめる事ができるはなしだなあ、と思っていました。

前回の記事でも書きましたが、今、日本のいならず世界中が、まるでこの物語の中の天竺の政治状況をなぞるかのような状況を呈しています。
「自分の事しか考えない」
そして、自分の欲を野放しに拡大しようとする事の、最終結果を考える事ができない「権力者」=グローバル企業の支配者による、社会破壊が進み、
それに不満を持ち、憎悪を募らせる弱者、民衆による暴動が頻発しているのです。
先進国、発展途上国問わず、です。
日本はその中で、嵐が来ているなどというのも恥ずかしいほどの平穏を維持しています。
が、それは、日本にだれか突出したリーダーがいてそれを防いでいるからなどではなく、過去の日本の歴史の中で積み重ねて来た民族の集合知というべきものを持つ日本の一般大衆が、押し寄せる「欲を野放しにする」グローバリズムに潜むいかがわしさを見抜き、拒否感を示しているからこそなのです。

ナーランダー大学の学長、仏教最高権威の正法蔵が、突厥の王子ハザクが、王に追われている自分と一緒に行動していては玄奘達に迷惑がかかると、一行を離れようとするのを玄奘が止めているところにやって来て言う台詞です。

「ハルシャ王とわしは20年来の付き合いじゃが
あの方は時代の波に弱い方でのう
こんな風に何年かにいっぺんわしを殺しにくるのじゃ
ハザクにはかかわりのない事じゃよ

そう
ハルシャ王もわしもハザクも
時代の波におわれているのかもしれぬな
・・・一人びとりが考える事を怠った時
人は時代にのみこまれる・・
小さな手抜きが大きな災いの波へと広がって行くのを
わしは90数年この目で見て来た

そして仏教の衰退も何十年何百年かかってこの時代に現れて来たのじゃ
国の興亡もまたしかりじゃ

しかしいまのところ
わしもそなたもそれに抗おうとしておる
ちがうかな? ハザク」

「小さな手抜き」そう、国を守るのは、軍事力だの、スーパーな政治家のウルトラCの外交力だのだけでは有りません。
それらの花をさかせるのは、国民一人一人の「小さな手抜き」をしない心がけです。

いかにもいい事ばかりを並べ立てるような目新しいものを取り入れるさい、過去の経験にてらして、その結果を考える事を面倒くさがる事。

納豆なんて、日本国産の大豆でなくても安ければいい
そうやって安い外国産大豆の納豆を大量に買って、ひとつしか食べずに腐らせるとか(笑)
・・・わ、、わたしは腐らせてなんかっ・・いるけど。国産のをね・・。

大豆なんて、遺伝子組み換えだっていいじゃないと、遺伝仕組み変え大豆のみならず、モンサントによる食料用種子の個人支配という、歴史上類を見ない強欲を野放しにする事になるのだという事を考えるのをめんどくさがる事とか。。。


「私にできる事など無い」
いいえ、あなたにできる事は、沢山あります。


ただ、自分の国の歴史を学びその中から何を守るべきなのか、時たま考えるだけでもいいのです。
それだけで、あなたが、あなたの家族が、自分の欲を野放しにして、自分以外の人間を奴隷化しようとする獣の浅薄な陰謀から守ることになり、一人びとりが自分の生活を守る事が、積もり積もって国柄をつくり、国を守って行くのです。

なにも、政治デモに参加する事、政治家に文句をつける事だけが政治に参加する事では有りません。


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